内視鏡検査・健診専用予約ダイヤル 03-5284-8230

肝臓内科

当院の肝臓内科について

当院では、日本肝臓学会認定の肝臓専門医による肝臓内科診療を行っております。肝臓は、病気があっても他の臓器が肝臓の機能を代わりに機能するため、なかなか自覚症状の生じにくい「沈黙の臓器」と呼ばれ、健診の異常などをきっかけに病気が判明することの多い臓器になります。B型肝炎やC型肝炎、肝硬変、肝臓がんなど、放置することで治療が難しくなる臓器でもあります。肝臓の健康状態を把握するために、定期的な肝機能検査や腹部超音波検査を行うことが大切です。

代表的な疾患

B型肝炎

B型肝炎とは、B型肝炎ウイルスに感染した母親からの母子感染、性交渉、刺青・針刺し事故など、体液や血液を介して感染する病気です。症状は、感染した方の健康状態に左右されることが多く、一過性から劇症肝炎などの重い状態まで様々です。
出産時や3歳未満に感染すると、生涯通して感染が持続することが多く、肝硬変や肝臓がんに移行することもあり、注意が必要です。また、この場合、体外にウイルスを排除することは困難でインターフェロン療法など薬物療法を通して、ウイルスの増殖を抑え込むことが治療となります。

C型肝炎

C型肝炎とは、C型肝炎ウイルスに感染することで発症する病気です。ウイルス性肝炎の中でも慢性化しやすく、炎症が継続することで肝硬変や肝臓がんに移行する可能性があります。主な原因としては、輸血や針刺し事故、注射針の使いまわし、母子感染、ピアスの穴開けなど、血液を介したものが考えられます。同じくウイルス性肝炎であるB型肝炎と比較すると、感染力が弱く、性交渉など体液を介した感染がほとんどないことが特徴です。自覚症状に乏しい病気ですが、人によっては、感染初期に食欲低下や倦怠感、発熱などが見られることもあります。

アルコール性肝障害

アルコール性肝障害とは、過剰な飲酒を長期間続けることで発症する病気です。中性脂肪が肝細胞に蓄積され、肝臓に負担がかかり、肝臓が肥大化してアルコール性肝脂肪やアルコール性肝炎などと呼ばれる肝障害を引き起こします。こうした状態を放置すると、アルコール性肝線維症など、様々な肝臓の病気を発症しやすくなります。初期には無症状でも、重症化してアルコール性肝硬変などに進行してしまうと、黄疸や倦怠感、腹部膨満感、腹水などの症状が生じるようになります。重症型アルコール性肝炎の場合、禁酒しても1か月程度で亡くなってしまうこともあり、日頃から飲酒量に気をつけることが大切です。

脂肪肝

脂肪肝とは、肝臓に脂肪が蓄積される状態です。自覚症状に乏しく、肥満や糖尿病、脂質異常症、飲酒、薬剤など様々な要因で発症します。近年では、飲酒しない方の脂肪肝もみられ、非アルコール性脂肪肝炎(NASH)と呼ばれ、注目されています。NASHの場合、飲酒に伴う肝脂肪と異なり、肝硬変や肝臓がんに移行しやすいのが特徴です。なお、脂肪肝に関しては、血液検査や腹部超音波検査により確認することができます。日頃から肝臓の状態を把握し、適量の飲酒や食生活の見直し、適切な運動を行うようにしましょう。

非アルコール性脂肪肝炎(NASH)

非アルコール性脂肪肝炎(NASH)とは、飲酒習慣がほとんどないにもかかわらず飲酒する方にみられるアルコール性肝炎に似た脂肪肝を呈する病気です。メタボリックシンドロームなど肥満に影響され、糖尿病などの合併症を伴うこともあります。自覚症状に乏しく、知らない間に進行してしまうこともありますが、放置することで肝硬変や肝臓がんなどの発症を招くこともあります。非アルコール性脂肪肝は、肝生検と呼ばれる肝臓の細胞を採取する検査で確認することができます。薬物療法や食生活の見直し、適度な運動習慣など、日頃の生活に気をつけることが重症化を防ぐことにつながります。

肝硬変

肝硬変とは、B型肝炎やC型肝炎など肝炎が慢性的に続き、肝細胞が壊死と再生を繰り返すことで発症する病気です。肝臓の機能としてアンモニアなど有害物質を解毒することや血液中の余分な糖を蓄え、放出する機能、出血を止める凝固因子の生成などがありますが、肝機能が低下することでこうした肝臓の機能が上手く働かなくなります。症状としては、黄疸や倦怠感、意識障害、腹水などがみられ、放置することで肝不全になってしまうこともあります。一度発症すると元の肝臓の状態に戻すことはできませんが、肝細胞がんなどの発症や重症化を防ぐことはできます。定期的に腹部超音波検査などをすることが大切です。

肝細胞がん

肝細胞がんは、肝臓を構成する細胞(肝細胞)が悪性化したものになります。正常な肝臓から発症することはなく、B型肝炎やC型肝炎、非ウイルス性肝疾患(アルコール性肝障害や非アルコール性脂肪肝炎)などがもとになり、発症します。B型肝炎やC型肝炎、糖尿病、脂質異常症、慢性肝炎、肝硬変、過剰な飲酒、肥満など生活習慣がもとになることもあり、適切な生活習慣と定期的な検査を継続することが大切です。

当院で対応できる治療

ラジオ波焼灼療法(RFA)

当院では、ラジオ波により生じる熱でがん細胞を死滅させる治療であるラジオ波焼灼療法(RFA:radiofrequency ablation)を行っております。ラジオ波焼灼療法では、タンパク質からできたがん細胞が熱で変化して固まるという性質を利用し、がん細胞を死滅させていきます。経皮的局所療法の一つとして、がんに直接針を指して治療するものであり、以前より安全で有効性の高い治療が行えるようになりました。また、2004年より保険適用となりましたので、多くの方に受けていただきやすい治療になってきております。身体の負担が少なく、何度も繰り返し治療ができるものになりますので、再発率の高い肝臓がんでも有効な治療となります。ご不明点等ございましたら、お気軽にご相談ください。

腹水濾過濃縮再静注法(CART)

当院では、肝硬変や肝臓がんなどで溜まった胸水や腹水をバックに取り出し、がん細胞など余分な成分を濾過して取り除き、その後必要な成分を濃縮して体内に戻す治療である腹水濾過濃縮再静注法(CART:Cell-free Ascites Reinfusion Therapy)を行っております。従来、腹水排液による低血圧やショックなどで副作用のみられた患者様にも受けていただきやすい治療となっております。治療に関しては、保険適用となり、2週間に1回治療を受けていただけます。胸水や腹水でお悩みでしたら、お気軽にご相談ください。

腹水について

腹水とは、腹腔と呼ばれる腹膜にある水が入った臓器と臓器の摩擦を少なくする部分に過剰な水が入った状態を言います。

医師紹介

医師 福田 遼 Ryo Fukuda

卒大/卒年 札幌医科大学 平成26年卒
専門領域 消化器肝臓疾患・内視鏡検査・内視鏡治療
原田院長

認定・資格等

  • 日本内科学会 認定医
  • 日本肝臓学会 専門医

所属学会等

  • 日本消化器内視鏡学会
  • 日本消化器病学会
  • 日本肝臓学会
  • 日本内科学会

 

主な業績

  • Fukuda R, et al. Immune Checkpoint Inhibitor Can Reduce HCV-RNA without Liver Damage. Intern Med. 2020; 59: 2245-2248.
  • Fukuda R, et al. Hepatitis C virus infection could affect the pathogenesis of ischemic heart diseases in northern Japan. Hepatol Res. 2019; 49: 355-359.
keyboard_arrow_up