背中の痛みとは
背中の痛みは背骨に障害があって生じていることが多く、放置していると歩けなくなるなど重症化することがあります。また、高齢者の場合には、骨がもろくなって骨折しやすくなる骨粗鬆症によって背骨がつぶれてしまう圧迫骨折を起こすことがあり、寝たきりにつながりやすいので注意が必要です。
背中に起こる症状
- 背中に繰り返ししびれが生じる
- 背中がこわばる
- 背中に強い痛みが起こる
- 起き上がろうとした際に背中が激しく痛む
- 突然、背中の痛みが起こった
- 背中から首の後ろまでの範囲に痛みが生じる
- 背中に加えて胸にも痛みがある
- 手にも痛みやしびれがある
- 背中がねじれて曲がっている
- 腰の位置が左右対称ではない など
上記のような症状は、背骨やその周辺組織、神経が障害されている可能性があります。早めに整形外科を受診して原因を確かめ、適切な治療を受けてしっかり治しましょう。
背中の痛みを起こす代表的な疾患
脊椎圧迫骨折
圧迫骨折は骨がつぶれてしまっている状態です。転倒などによって起こることもありますが、高齢で骨がもろくなる骨粗鬆症を発症していると、自身の身体の重みで脊椎が圧迫骨折を起こし、それがきっかけになって次々と他の脊椎も圧迫骨折を起こして寝たきりになってしまう場合もあります。
主な症状
背中や腰の激しい痛み、腰を曲げる・反らすなどで痛みが起こる、起き上がろうとすると強く痛むなどの症状が現れます。高齢者の場合、圧迫骨折を起こしても強い痛みを感じないケースもあり、注意が必要です。
頚椎椎間板ヘルニア
首の部分の頚椎で骨の間にあってクッションの役割を果たしている椎間板が突出してしまい、神経を圧迫して症状を起こします。加齢によって生じることが多い疾患です。
側弯症
正面からみて脊柱が左右に弯曲している状態で、ねじれをともなうこともあります。原因がわからないことが多いです。乳幼児から中学生くらいまでの発症がほとんどを占め、脊柱の変化が大きい思春期に悪化しやすい傾向があります。
後縦靱帯骨化症・黄色靱帯骨化症
脊髄周辺にある靱帯が骨化して脊髄を圧迫し、痛みなどの症状を起こす疾患です。後縦靱帯骨化症は前方にある靱帯が骨化し、黄色靱帯骨化症は後方の靱帯が骨化します。原因はまだよくわかっていませんが、遺伝的要因が関与すると考えられています。日本人の発症は比較的多いとされています。
主な症状
背中の痛み、背中の張り、下半身のしびれ、強いしびれによる歩行困難などを生じます。
