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大腿骨顆部骨壊死

大腿骨内顆骨壊死(膝特発性骨壊死)とは

歩行時に膝の激痛を起こして発見されることが多い疾患です。他にも変形性膝関節症が進行し、合併症として生じることもよくあります。主な症状は膝の痛みであり変形性膝関節症と似ていますが、大腿骨内顆骨壊死では大腿骨の内側に壊死が生じており、変形性膝関節症の一般的な治療を続けているだけでは進行して歩行が困難になる可能性がありますので、注意が必要です。

大腿骨内顆骨壊死の原因

原因がまだよくわかっていない一次性大腿骨内顆骨壊死と、膠原病やステロイド使用など明らかな原因があって発症する二次性大腿骨内顆骨壊死に分けられます。 一次性大腿骨内顆骨壊死は、いくつかの誘因にいって生じているとされています。骨は破壊と再生を繰り返して強度を保っていますが、血流障害があって血液の供給が不足すると骨の破壊と再生がうまく行われなくなって骨がもろくなり、歩行などの衝撃によって骨が壊れてしまうと考えられています。

大腿骨内顆骨壊死の症状

発症時に突然激しい膝の痛みを起こすことがよくあります。痛みが起こるのは主に膝の内側の部分です。歩行時よりも、安静時に痛みが生じるケースが多いとされています。発症後は、歩行などの負荷によって強い痛みを生じるようになり、膝の腫れや変形によって歩行が困難になるなど深刻な障害を生じることも珍しくありません。

大腿骨内顆骨壊死の検査

膝周辺のX線検査、CT検査、MRI検査、骨シンチグラフィーなどを行って、膝周辺の骨や関節の状態を精密に調べ、局所の骨壊死や変形などを正確に把握して診断し、重症度を評価します。

大腿骨内顆骨壊死の治療

保存的療法と手術療法に分けられます。重症度や症状だけでなく、年齢やライフスタイル、基礎疾患などに合わせた治療法の選択が重要になってきます。

保存的療法

膝に体重負荷をできるだけかけないことが悪化予防や症状改善に有効です。インソール(靴の中敷き)やサポーター、松葉杖などを使い、膝への負担を減らします。並行して痛みを緩和させる薬物療法を行っていきます。痛みが軽減されてきたらリハビリテーションや運動療法を行って膝周辺の筋力を強化し、膝への負担を減らします。肥満の場合はカロリーコントロールを行って適正体重に戻し、それを維持することも膝への負担軽減に大きく役立ちます。

手術療法

保存的療法では十分な効果が得られない場合に行われます。症状・重症度、年齢などに合わせて適切な手術を選択します。

関節鏡下滑膜切除術

関節鏡という直径4mmの内視鏡による手術であり、侵襲が少ないので回復が早く、術後早期に体重をかけた歩行が可能になります。痛みの原因になっている滑膜や変性した半月板などを除去して、関節を洗浄します。痛みが軽度の場合には早期退院も可能なケースがあります。ただし、手術の効果はいずれ失われてしまうことが多く、その点を理解した上で受けることが重要です。

骨切り手術 高位脛骨骨切り術:HTO (High Tibial Osteotomy)

一部に強い負荷がかかることを防ぐために脛骨を切って角度を変える手術です。人工関節登場前から行われていた手術ですが、優秀なプレートや人工骨が開発されたことで高い有効性が期待でき、再度注目を集めています。変形が少なく、外側の軟骨が残っている場合に可能であり、自分の関節を温存できます。術後のスポーツ復帰も可能ですが、術後のリハビリテーションが重要になります。早ければ術後2~3週間で退院が可能になります。

人工膝関節置換術:TKA (Total Knee Arthroplasty)

大腿骨と脛骨の表面を削って膝関節全てを人工の関節に置き換える手術です。強い関節の変形があっても可能であり、主に末期の膝関節症に行われます。人工関節は安定して使用できる期間が決まっていますので、高齢になってから行われることがほとんどを占めます。手術翌日からリハビリテーションを開始し、術後早期の歩行訓練も可能です。退院の時期は平均すると術後1か月が目安となっています。

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