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関節リウマチ

関節リウマチは治る病気になってきています

関節リウマチは進行性の疾患で、関節の腫れや痛み、動かしにくさ、関節の変形による機能不全などの症状を起こして日常生活に大きな支障を及ぼします。 以前は治らない病気とされてきた関節リウマチですが、現在では進行を止めて症状を起こさない寛解状態に導く治療が可能になってきています。日常生活に支障を及ぼさないためにも、関節リウマチはできるだけ早く受診して、適切な治療を早期に開始することが重要です。

関節リウマチとは

30~50代の女性の発症が多く、日本では100万人以上の関節リウマチ患者がいるとされています。発症に至る原因はよくわかっていませんが、免疫異常の関与が指摘されています。 手足のこわばりや動かしにくさといった症状からはじまり、進行すると関節の腫れや痛みを生じ、やがて関節が変形して動かなくなり機能を失ってしまいます。上肢や下肢に症状が現れやすく、指・手首・肘・肩、膝・足首・足指などに症状を起こすことが多くなっています。日常生活の動作には手指の機能が欠かせないものが多く、指の動きに制限が生じるとQOL(生活の質)が大きく低下してしまいます。関節リウマチは進行性の疾患ですので、早期に発見して適切な治療を受け、進行を止めることが非常に重要となっています。初期症状に気付いたら、できるだけ早くご相談ください。

関節リウマチの症状

関節リウマチでは、片手に症状が現れ、しばらく経過してからもう片方の手にも症状が現れることがよくあります。片手にだけ症状があった場合にもご相談ください。

  • 手足がこわばる
  • 手指が動かしにくい
  • 手指の関節に痛みや腫れがある
  • 手首に痛みや腫れがある

関節リウマチの初期には、起床時に手指がこわばる・動かしにくいという症状が起こることがあります。はじめのうちは起床後、短時間で解消しますが、徐々に長く続くようになってきます。起床時のこわばりや動かしにくさに気付いて受診し、早期に発見・適切な治療につながり、つらい症状を起こさずに寛解できた例も増えてきています。こうした初期症状に気付いたら、できるだけ早くご相談ください。

比較的症状が起こりやすい場所

手首にある「手関節」、手指の付け根にある「中手指節関節」、指先から2番目の「近位指節関節」に症状を起こすことが比較的多いとされています。

軽い違和感程度でも受診してください

関節リウマチは進行性の疾患であり、進行が進む前にできるだけ早く治療をはじめることが重要です。日常生活に支障がない状態で適切な治療を続ければ、良好な状態を長く維持できる可能性が高くなります。指先のデリケートな動きや感覚は、日常の何気ない多くの動作に必要です。例えば、ボタンをかける、スマートフォンを操作する、メイクをするといった際などにも指先の感覚や繊細な動きは不可欠です。こうした機能を守るためにもできるだけ早く受診しましょう。軽い違和感程度でも気軽にご相談いただけるようにしていますので、当院までご相談ください。

指のこわばりや違和感だけでなく、関節リウマチには下記のような初期症状が現れることがあります。

関節リウマチの初期症状

  • 指の感覚や動きなどの軽い違和感
  • だるさ・倦怠感
  • 食欲不振
  • 体重減少
  • 微熱
  • 起床時の手足のこわばり・動かしにくさ

女性はホルモンバランスの乱れによって、倦怠感や食欲不振、微熱などの症状を起こすことがあります。特に更年期にはこうした症状が現れやすいので、関節リウマチの初期症状が見逃されてしまうケースがあります。 関節リウマチは明らかな症状がない段階でも適切な検査を行えば早期発見できる病気です。疑わしい症状がある場合には、よくある体調不良と考えず早めに当院までご相談ください。

関節リウマチの治療

基本的に症状の進行を抑える抗リウマチ薬による治療を行います。関節の痛みや炎症を起こしている場合にはそれを解消する治療を行います。関節内注射などの治療も有効なケースがあります。 また進行している場合には、痛みの原因である腫れた滑膜を切除する手術や壊れた関節を人工関節に置き換える手術などを行う場合もあります。

薬物療法

抗リウマチ薬

  • csDMARDs 免疫抑制薬
  • リウマトレックス・メトレート(メトトレキサート)
  • プログラフ(タクロリムス)
  • ブレディニン(ミゾリビン)
  • アザルフィジンEN(サラゾスルファピリジン)
  • ケアラム・コルベット(イグラチモド)
  • リマチル(ブシラミン)

対症療法として使われる薬

  • 非ステロイド系抗炎症薬(NSAIDs)
  • 副腎皮質ステロイド(内服・関節内注射)
  • ヒアルロン酸(関節内注射)

手術

滑膜切除術

腫れて痛みを起こしている滑膜を切除することで痛みを軽減し、関節の炎症を抑制します。現在は進行抑制効果の高い薬物療法が可能になっていることから、以前に比べれば滑膜切除術はあまり行われなくなってきています。ただし、この手術によって痛みや腫れが解消することで、治療薬を減らせる効果が期待できることから、手術が有効なケースもあります。

人工関節置換術

壊れた関節を人工関節に置き換える手術です。関節リウマチが進行して関節が壊れ、強い痛み、日常的な動作・歩行などが困難になった場合に行われます。従来は人工股関節や人工膝関節の手術が主に行われていましたが、現在は肩や肘、手首などの人工関節置換術が行われるケースも増えてきています。人工関節は安定した状態を保てる期間があり、人工股関節は15年、人工膝関節は20年とされています。

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