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透析患者の薬物療法とは?目的や種類、飲んではいけない薬について解説

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人工透析治療は腎臓機能が十分に働かない方々にとって、生命を維持するための重要な治療法です。また、透析患者さんにとって適切な薬物療法の管理は、健康状態を維持するうえで欠かせません。

腎不全の患者さんは透析治療を通して身体の老廃物や水分を処理することができますが、本来の腎臓の働きを完全に補うことはできません。そのため、透析治療と併せて薬物治療が行われることが多いです。

この記事では、透析患者さんとそのご家族に向け、透析と関連する薬物療法について理解を深めるための情報を紹介します。透析患者さんには、さまざまな種類の薬が使用されます。これらの薬の役割を理解することによって、なぜそれらの薬を服用する必要があるのかをより明確に理解することができます。

適切な薬物療法の実施と正しい服薬は、透析治療の成果を最大限に引き出すうえで大変重要です。透析患者さんが服用する薬について知識を深め、正しく薬を服用して治療に挑みましょう。

井口病院では、透析患者さんに起こり得るさまざまな不調や疾患に対処できるよう、体制を整えています。維持血液透析だけではなく、緊急透析や各種血液浄化療法も行っています。

また、当院は北千住駅から徒歩3分と駅近で便利な立地にあります。東京23区からアクセスがしやすいので、東京で人工透析が受けられる病院をお探しでしたら、ぜひ当院へお越しください。

※電話受付時間:9:00〜17:00

透析患者が投薬を受ける目的

透析患者さんが薬物療法を受ける目的は、大きく分けると以下の3つです。

  • 透析治療だけでは補いきれないものをコントロールする
  • 腎不全による腎臓の機能を補う
  • 合併症の予防や治療

透析患者さんの薬物療法は多岐にわたり、薬の種類も服用方法もさまざまです。そのため、複雑さを感じるかもしれませんが、薬を正しく服用することで透析の負担を軽減したり、食事制限を緩和することができる場合もあります。

自身が服用する薬の効果や効能、そして副作用というリスクを十分に理解したうえで、医師や薬剤師の指示に従い、正しい用法と適切な容量を守ることが重要です。

 

透析患者によく処方される薬の種類

透析療法だけでは、腎臓の働きを完全に補うことはできません。そのため、透析療法で補えない部分を薬物療法でコントロールします。

透析患者さんに処方される主な薬の種類について解説します。

リン吸着薬

透析患者さんは腎機能が低下しているため、リンを効果的に排出することができません。その結果、血液中のリンの濃度が高くなります。

血液中のリンの濃度が高くなると、骨がもろくなり骨折のリスクを高めるだけでなく、血管の壁の石炭化によって心不全や心筋梗塞、動脈硬化、足の壊死や痛みなどを引き起こす可能性があります。

そのため、血液中のリンを下げるために、腸内でリンを吸着しリンの吸収を抑えるリン吸着薬が使われます。

リン吸着薬には、炭酸カルシウム、セベラマー塩酸塩、炭酸ランタン、ビキサロマー、クエン酸第二鉄水和物などの種類があります。

カリウム吸収剤

腎臓の機能が低下している透析患者さんでは、十分なカリウム排泄ができず、体内にカリウムが蓄積します。

血液中のカリウム濃度が過剰となり、高カリウム血症と呼ばれる状態が発生すると、筋力低下や不整脈、重篤の場合心停止などの症状を引き起こす可能性があります。

そのため、カリウム吸収剤を使用し、血液中のカリウムが上がらないよう腸内でカリウムを吸着し、便とともに体外に排泄させることでカリウムの過剰を緩和します。

カリウム吸収剤には、ポリスチレンスルホン酸カルシウム、ポリスチレンスルホン酸ナトリウムなどの種類があります。

合併症への治療薬

透析治療を続けていると、さまざまな合併症が起こることがあります。高血圧、糖尿病、便秘などの合併症があると腎機能にも影響し、脳梗塞や心筋梗塞などの重大な合併症のリスクが高まります。そのため、各疾患に応じた治療薬を使用します。

高血圧

カルシウム拮抗薬、アンジオテンシンⅡ受容体拮抗剤(ARB)、アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬、利尿薬などの血圧を下げる薬を使用します。

糖尿病

スルフォニル尿素薬、インスリン分泌促進薬、α-グルコシターゼ阻害薬、インスリン抵抗性改善薬、ビグアナイド薬、SGLT2阻害薬、インクレチンなどの内服薬やインスリン製剤を使用します。慢性腎臓病が進行すると内服薬が体内に蓄積しやすくなり、低血糖のリスクが高くなります。その場合、内服薬はほとんど使用できなくなります。

便秘

大腸刺激性下剤、浸透圧下剤、粘膜上皮機能変容薬などを使用します。

適切な便の排泄には適度な水分量が必要ですが、透析患者さんは水分制限や透析での除水で腸内が水分不足になりがちです。

便秘を放置するとさまざまな合併症が起こる恐れがあるため、下剤を使用し便の排泄を促します。

活性型ビタミンD製剤

腎臓は、カルシウムを体内に吸収させるのに必要な活性型ビタミンDをつくっています。

活性型ビタミンDは小腸の腸管からカルシウムとリンの吸収を増加させ、腎臓でカルシウムの再吸収を促進し、体内のカルシウムバランスを維持し、骨の石炭化を促進する作用があります。

ビタミンDは肝臓と腎臓で活性化されて作用できるようになるため、腎機能が低下していると、腎臓での活性化がされず、活性型ビタミンDの低下を引き起こします。

そうすると腸管からのカルシウム吸収を促す活性型ビタミンDの生産が低下し、カルシウムが腸から吸収されにくくなり、骨がもろくなります。

活性型ビタミンD製剤を服用することで、カルシウムの吸収を促進します。ただし、活性型ビタミンD3製剤が効きすぎてカルシウムの吸収が多くなりすぎると、高カルシウム血症のリスクがあるため使用方法に注意が必要です。

活性型ビタミンD製剤には、アルファロールCapR、ロカルトロールCapRなどを使用します。

 

透析患者が飲んではいけない薬とは

使用してはいけない薬剤のことを、「禁忌薬」といいます。これを守らず投薬した場合、病状を悪化させる、深刻な副作用が現れる、薬の作用が弱まってしまうなどの可能性が高くなるといわれています。

投薬してはいけないと判断される状態として、現在の病気や合併症、既往歴、家族歴や体質などが記されています。

一般社団法人日本腎臓病薬物法学会が示す、透析患者に禁忌とされている薬は実は80以上もあります。腎機能が著しく低下している透析患者では、腎臓に到達して排出される薬は血中濃度が高くなるので禁忌となります。

薬の血中濃度を高めてしまう可能性がある抗うつ薬、腎障害を悪化させる恐れや腎不全を起こすリスクがある抗リウマチ薬などは禁忌薬となっています。

また、副作用が強く現れるリスクがある薬、低血糖、出血を引き起こす可能性がある薬なども禁忌薬です。

詳しくは以下のURLを参考にしてください。

参考URL:「腎機能低下時に最も注意が必要な薬剤投与量一覧(2021年9月7日改訂(34.1版))(一般社団法人日本腎臓病薬物療法学会)」

ほかにも、市販薬で解熱鎮痛剤に広く用いられているNSAIDやアルミニウム、マグネシウムが含まれる胃腸薬、便秘薬も注意が必要です。

アスピリンやロキソプロフェンナトリウム(ロキソニン)、イブプロフェン(ブルフェン)、ジクロフェナクナトリウム(ボルタレン)、インドメタシン(インダシン)などの非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)は、発熱や頭痛の緩和に使用されることがありますが、腎障害の悪化や消化管出血などの胃腸障害を引き起こす可能性があります。

胃腸薬や便秘薬にはマグネシウム、アルミニウムといった成分が含まれています。マグネシウムが体内に蓄積すると高マグネシウム血症となり、不整脈や意識障害、心停止などのリスクが増加します。

アルミニウムが体内に蓄積すると、アルミニウム脳症と呼ばれる言語障害や精神障害、異常行動、骨軟化症により骨がもろくなるという問題が生じ、骨折の危険性が高まります。

市販の漢方薬にも透析患者さんが慎重になるべき成分が含まれていることがありますので、服用する前に主治医に相談するとよいでしょう。

 

透析後に抗生剤を使うのはなぜか

透析患者さんが透析後に抗生剤を使用する主な理由は、透析中に細菌やほかの病原体が体内に侵入するリスクがあるためです。

透析患者さんの主な死因は「心不全」であり、次に「感染症」が続いています。近年、感染症による死亡率は増加しており、特に透析を導入してまもない患者さんは感染症による死亡が比較的多く見られます。2020年の統計では、透析を導入して年末までに亡くなった患者さんのうち約4人に1人が感染症でなくなりました。

透析後に抗生剤を使用することで、透析中に侵入した細菌やほかの病原体による感染を予防・治療することが目的です。抗生剤は細菌の成長を抑える効果があり、感染のリスクを軽減する役割を果たします。

透析患者さんがかかりやすい感染症は、以下のとおりです。

肺炎、結核

咳などによって飛散した肺炎球菌や結核菌を吸い込むことによって発症します。また、風邪やインフルエンザが引き金となって肺炎が発生することもあります。透析患者さんの場合、重篤化しやすいとされています。

尿路感染症

大腸菌などの細菌が尿道から侵入し、膀胱炎や腎炎を引き起こします。一般的な症状には、発熱、下腹部の不快感、血尿などが現れます。

シャント血管の感染症(血液透析利用者の場合)

血液透析を受けている患者さんは、透析のたびにシャント血管に針を刺す必要があります。その際に周囲の皮膚についている細菌などが体内に入り込んでしまう可能性があります。

透析針を挿入する部位から細菌が侵入することにより感染が発症し、感染部位は赤く腫れ上がり、痛みや熱を伴います。高熱が出た場合は、細菌が全身に広がっている可能性があるため早急に抗生物質などの治療が必要です。

腹膜炎、カテーテル関連感染症(腹膜透析利用者の場合)

腹膜透析を受けている患者さんは、体外から腹腔内へとつながるカテーテルを腹部に留置していることで、感染リスクが高くなります。

腹膜炎は、カテーテル内を通じて、またはカテーテルの出口部から腹腔内に細菌が侵入することで発症します。腹腔から排出した透析液がにごり、腹痛、悪心・嘔吐、発熱などの症状が現れます。重症化すると生命に危険が及ぶこともあります。

カテーテルの出口部周辺や、カテーテルの通り道が感染を起こすこともあります。また、出口部から膿が出た場合は感染症が疑われます。また、感染部位が赤く腫れ上がり、痛みが生じるなどの症状が現れます。この場合も早急な抗生物質での治療が必要になります。

 

透析患者の体内における薬の動き

すべての薬は、さまざまな道のりを経て最終的に体から排泄されます。体の中で科学的に変化してから排泄されることもあれば、そのまま排泄されることもあります。ほとんどの薬は主に肝臓から尿中に排泄されます。そのため、薬の投与量は腎機能に大きく関係します。

腎臓の機能が低下している人では、主に腎臓から排泄される薬の場合、通常の投与量では多すぎて副作用を起こすことがあります。そのため、腎臓病患者さんへの薬物処方については、健康な人との腎臓の機能の違いを考慮しつつ慎重に行われています。

 

薬に気をつけつつ透析を受けるなら

透析治療と関連する薬物療法について詳しく説明しました。腎臓のはたらきが低下しているために起こるさまざまな状態を改善するため、透析治療を併せて薬物療法を行います。

薬は正しく服用しないと、予期しない悪影響が生じる可能性があるため、薬の副作用や服用方法、他の薬との飲み合わせの注意事項をよく把握して服用しましょう。

井口病院では、患者様が透析を続けながら元気に過ごしていただけるよう、快適な環境調整と心のケアを含めた看護を心がけております。また、他科の医師ともこまめに情報を共有していくことで、患者様の体調の変化に対応できるよう勤めております。

人工透析は週3回まで対応しています。夜間透析やオーバーナイト透析(月・水・金)も行っているため、日中お忙しい方もこれまで透析時間の確保が難しかった方も、無理なく治療を受けていただくことができます。

ご家族のスケジュールに合わせた透析時間・透析日の調整、短期入院透析にも対応しております。北は竹ノ塚、南は南千住までの送迎も行っております。

また、当院は東京23区からアクセスしやすい北千住に位置し、北千住駅からは徒歩3分と駅近で便利な立地にありますので、東京で人工透析をお探しの方は、ぜひ当院へお越しください。

透析患者様がかかりやすい傾向にある、糖尿病や脳梗塞、循環器疾患、消化器疾患、整形外科疾患などの疾患の治療にも対応しております。その治療と同時に、入院・透析を受けていただくことも可能ですのでお気軽にご相談ください。

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