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人工透析検査の血液検査とは?数値の見方、目標値の目安について解説

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人工透析治療を安全に実施するためには、患者さんの身体の状態を把握するための定期的な検査が欠かせません。透析時に行う検査や、患者さんの状態に応じて実施される検査など、検査項目は多岐にわたります。

特に、透析治療において重要な検査は体重と血圧の測定、血液検査です。透析治療を開始する際には、まず「ドライウェイト」と呼ばれる透析時の目標体重を測定します。透析治療はこのドライウェイトを基準に行われるため、治療前後での体重測定は必須です。

また、透析中は血圧が低下しやすいため、治療時に測定します。血液検査は通常週に2回行い、採血によって透析の効果や栄養状態を確認します。

この記事では人工透析検査の結果における血液検査の数値の見方や、基準値の目安について解説します。最後まで読んでいただくと安心して透析治療を開始することができます。

井口病院では、透析を受ける患者さんに起こり得るさまざまな不調や疾患に対処できるよう、体制を整えています。維持血液透析だけではなく、緊急透析や各種血液浄化療法も行っています。

また、当院は北千住駅から徒歩3分と駅近で便利な立地にあります。東京23区からアクセスがしやすいため、東京で人工透析が受けられる病院をお探しでしたら、ぜひ当院へお越しください。

※電話受付時間:9:00〜17:00

透析患者にとっても見ておくべき「体重」

透析を受ける患者さんの体重コントロールは、合併症の予防や心臓への負担を軽減するため非常に重要です。適正にコントロールできていると血圧も安定しやすくなり、体の負担減も減り、生活の質も向上します。

そして何よりも透析生活を快適に過ごすために重要なポイントです。

水分の摂りすぎは身体への負担増に

透析患者さんは丹生の排出の関係で透析と透析の間に体重が増えます。腎臓の機能が低下すると、健康なときよりも尿が少なくなっていくのです。そのため、体重の増減は透析において大変重要となります。

透析を通して、余分な水分や老廃物を除去していきます。しかし、水分を多く摂りすぎても心臓や肺に水がたまり、体に負担がかかってしまいます。

体の中に必要以上に水分がたまると、血管内の水分が多くなり、余分な血液を体外へ排出しようと頑張ることにより心臓や血管に負担がかかります。その結果、体重が増え、むくみや高血圧を引き起こします。

高血圧は脳出血の最も危険な要因といわれています。高血圧によって起こる動脈硬化は、進行すると脳梗塞など命にかかわる合併症の原因となります。

また、透析間の体重の増加が多く、透析のたびに目標体重まで除水できないと、常に過剰な水分を体内に残してしまうため心臓へ負担をかけてしまい、心不全になる危険性もあります。

体重管理は、透析中の血圧低下、貧血、脳梗塞、心不全の予防のためにも必要です。

ドライウェイト(目標体重)を決める

ドライウェイトとは、体内の水分が適切なバランスになる状態を指します。体内に余分な水分がない状態で、透析後に達成しなくてはならない目標体重のことです。

透析患者さんは腎臓機能の低下により、尿として排泄できる水分量が少なく、体に余分な水分がたまっている状態です。この体にたまっている余分な水分を透析治療で取り除く際に、どのくらいの水分量を取り除くのかをこのドライウェイトを基準にします。

ドライウェイトとは次のような状態のときの体重をいいます。

  • 顔や手足にむくみがない
  • 血圧がほぼ正常である
  • 心臓が大きくない
  • 体調が良いと感じられる

毎回透析終了時には、このドライウェイトの状態になっているのが望ましいです。

ドライウェイトは、体調、血圧、体のむくみ、レントゲン検査による心臓の大きさなどを指標にして、体に無理のない体重を決めます。

透析後の全体の状態も参考にしますが、筋肉や脂肪の変化、食欲や体調によって太ったり痩せたりすることもあるため、ドライウェイトも定期的な見直しが必要です。

体重増加は、透析から透析までの間が中1日でドライウェイトの+ 3%、中2日で+ 5%未満に抑えるのが望ましいと一般的にいわれています。例えば、ドライウェイト60kgの方は、中1日で61.8kg(+ 1.8Kg)まで、中2日で63kg(+ 3.0kg)までの体重増加がベストです。

 

透析患者と切り離せない「心電図」

心電図検査は、心臓の動きを電気的な波形にすることで心臓に異常がないかどうかを調べる検査です。この検査は、不整脈や心筋梗塞、狭心症などの病気の診断に役立ちます。

透析を受ける患者さんにとって、心臓病はとても重要な病気です。透析患者さんの心臓が悪くなる原因は、大きく分けると2つあります。

  1. 腎臓が働かないため体内をめぐる血液の量が増加して、心臓に余分な負担がかかること
  2. 心臓に酸素や栄養を送っている血管がつまってしまう「虚血性心疾患(きょけつせいしんしっかん)」

どちらも徐々に心臓に負担がかかり心臓が疲労してしまいます。それが死亡原因の中で最も多い「心不全」と呼ばれる病気です。

透析治療を始めてから最初の1年間は、特に心筋梗塞が起こりやすいことがわかっています。

透析を長く続けている方も、始めてから間もない方も、自分の心臓の状態を知るために定期的に検査を受けることが大切です。

 

透析検査で最重要である「血液検査」の数値の見方

より良い透析生活を送るためには、自己管理が非常に重要です。透析患者さんは定期的に血液検査を行います。血液検査を受ける目的は、透析の適性や薬剤効果の確認、新たな合併症の発見、栄養・健康状態の管理などさまざまな指標とするためです。

血液透析を始めたばかりの患者様、すでに透析治療を長く続けられている患者様、そしてご家族も食事療法を行う上で採血結果の確認をしていただくことはとても大切です。

以下で、基本的な検査項目の値の目安や概要について解説します。

ナトリウムの値の目安

目標値:136〜145mEq/l

ナトリウムは、人の体にとって必須かつ重要なミネラルの一つであり、細胞、神経、筋肉の正常な機能維持に不可欠な物質です。血液中のナトリウム濃度は、体液と食塩摂取量のバランスを把握するための指標となります。

腎臓は血液の電解質の温度を正常に保ち、血液を弱アルカリ性に保つ働きをしています。電解質の中でも、腎臓は過剰なナトリウムを排泄することで、血圧の調整を助ける働きを持っています。

血液中のナトリウムの濃度が135mEq/l未満になると、低ナトリウム血症と診断されます。低ナトリウム血症になると、吐き気や疲労感、頭痛、全身倦怠、意識障害、筋けいれんなどがみられます。

一方で、血液中のナトリウム濃度が145mEq/l以上の状態は高ナトリウム血症です。高ナトリウム血症になると、口渇、水分多飲、けいれん、頭痛、嘔吐、意識障害、倦怠感などがみられます。

カルシウムの値の目安

目標値:8.4〜10mg/dl

カルシウムはほとんどが骨に存在し、骨の強度を維持する役割を果たしています。カルシウムの濃度は副甲状腺ホルモン(PTH)やビタミンDなどによって調節されます。

腎機能が低下すると、ビタミンDの生産が低下して、カルシウムの濃度が低下します。その結果、副甲状腺ホルモンが過剰に分泌されるようになり、二次性副甲状腺機能亢進を引き起こします。

二次性副甲状腺機能亢進とは、慢性腎不全において最も重大な合併症の一つです。副甲状腺以外の病気が原因で、副甲状腺ホルモンが過剰に分泌され、血液中のカルシウム濃度が必要以上に高くなってしまいます。

血液中のカルシウム濃度が高くなると、骨がもろくなり骨変形・病的骨折などの原因となるので対応が必要です。

また、主に関節を中心とした筋肉や肺、皮膚、心臓や血管などさまざまな場所へカルシウムが沈着し、動脈硬化や心血菅疾患などを引き起こします。

カリウムの値の目安

目標値:4〜5.5mEq/l

筋肉や神経の興奮や伝達、収縮に関与する電解質です。通常、健康な人は摂取したカリウム量と同量のカリウムが尿中に排泄され、バランスが保たれています。

通常、体内の余分なカリウムは腎臓の働きにより尿中へ排泄されます。しかし、透析患者さんは腎機能が低下しているため尿量が少なく、尿中にカリウムが排泄されにくいため、高カリウム血症になりやすいのです。

透析患者さんの高カリウム血症は、食事による過剰摂取だけでなく、降圧薬や便秘によっても起こります。カリウム値は、5mEq/lを超えると高く、6.0mEq/lになった場合は要注意です。

高カリウム血症になると、筋収縮が調節できなくなり、しびれや不整脈などの症状が現れます。重症になると心停止に至る危険性もあります。

一方、食事が十分に取れていない方や嘔吐や下痢などの症状がある方は、カリウムの濃度が低下しやすくなります。カリウムの濃度が低すぎると、身体がだるくなったり不整脈などの症状が起こる可能性があります。

無機リン酸の値の目安

目標値:2.6〜4.5mg/dl

リンは生命維持に欠かせないミネラルの一種です。骨や歯や筋肉を形成するほか体内のさまざまな細胞に存在し、カルシウムに次いで多く、成人の体重の約1%を占めています。

リンは肉類や魚類、卵黄などのたんぱく質の多い食品に含まれています。

通常、血液中のリンの濃度は腎臓の調節機能によって一定に保たれています。しかし、腎機能が低下すると、リンが尿中に排泄されず血液中にたまり、高リン血症を引き起こします。

高リン血症になると、血液中のリンの影響によって副甲状腺ホルモンが過剰に分泌されます。それによって、骨のカルシウムが血液中へと溶け出し、骨が脆くなって骨折しやすくなります。

クレアチニンの値の目安

目標値:14mg/dl以下

クレアチニンとは、筋肉を動かすためのエネルギーを使った後に出てくる老廃物のひとつです。クレアチニンは食事の影響を受けず、常に一定量生産され、ほとんど体内に再吸収されることなく腎臓からのみ排泄されます。そのため、クレアチニンが腎機能をみる指標となっています。

このクレアチニンは体にとって不要なもので、尿として体の外に出ていきます。

腎機能が低下すると腎臓から排出されず血液中にたまり、クレアチニン値が上昇します。ただし、筋肉量に比例するため、筋肉量の多い人では正常な範囲内でも高値を示すことがあり、筋肉の少ない人は少なくなります。

また、糖尿病性腎症の初期や高齢の女性では腎機能とは関係なく低値を示すことがあります。数値が高い場合は透析不足となるため、通常は20mg/dLを超えることはありません。クレアチニン値が極端に高い場合は、透析が不十分である可能性が考えられます。

尿酸の値の目安

目標値:7mg/dl以下

尿酸とは、プリン体という体や臓器を動かすためのエネルギー物質が体内で分解されて老廃物となったものです。食事で摂ったタンパク質量に左右されるため、腎臓が悪くなくても過剰なタンパク質摂取によって上がります。

プリン体が多く含まれるビールやレバーなどを食べすぎると、尿酸値が上がり痛風になるということは一般的に有名です。プリン体は私たちが口にするもの以外に、人の体内でも生成、分解されています。

主に肝臓で分解され尿酸となり、腎臓で尿と一緒に排泄されます。腎機能が低下すると尿への排泄量が減るため、血液中の濃度が上がります。

尿酸値の基準値は、男女ともに7.0mg/dlまでで、尿酸値が7.0mg/dl以上になると高尿酸血症、2.0mg/dl以下は低尿酸血症です。

尿酸値が7.0mg/dlを超えた状態が高尿酸血症です。高尿酸血症が長期化すると尿酸が結晶化し関節などに沈着します。沈着した場所が足の親指の関節だと痛風、尿路だと尿路結石、腎臓だと腎結石になります。また、高血圧や動脈硬化の危険性も高まります。

予防するためにはアルコールの量を減らし、プリン体が多く含まれる鶏卵・魚卵・ホルモンなどの摂取を控え、水分と野菜を多く摂り、軽い有酸素運動を行うのが有効です。

赤血球の値の目安

目標値:ヘモグロビン10.0〜11.0g/dl、ヘマトクリット30〜33%

赤血球は肺で受け取った酸素を全身の細胞に送り届け、不要になった二酸化炭素を回収して肺に放出する「ガス交換」を行っています。

ヘモグロビンとヘマトクリットは貧血を示す指標です。透析患者さんは腎性貧血と呼ばれる状態であり、赤血球生成不足が主な原因です。ヘモグロビンは赤血球に含まれる成分で、ヘマトクリットは血液中における赤血球の占める割合(%)を表し、貧血の状態をみます。

通常、目標とされるヘモグロビンは10.0〜11.0g/dl、ヘマトクリットは30%〜33%程度が望ましい値です。

ヘモグロビンは組織に酸素を供給する役割を果たしており、その欠乏は組織の酸素不足と生体機能への影響につながります。この問題を解決するため、遺伝子組み換えヒトエリスロポエチン(γHuEPO)の使用が透析患者さんの生命予後改善の重要な要素となっています。

鉄の値の目安

目標値:70〜200μg/dl

鉄は赤血球のヘモグロビンを作るための材料で、少ないと赤血球がつくられにくくなり貧血を起こします。

透析患者さんは、エリスロポエチン投与によって鉄の需要が増加したり、透析器内に鉄が残存したりするため、鉄欠乏性貧血になりやすい状態にあります。

副甲状腺ホルモンの値の目安

目標値:intact PTH:60〜v240pg/ml

血中のカルシウム濃度が低下し、同時にリン濃度が高い状態が持続すると、副甲状腺が徐々に拡大し、過剰なホルモン分泌が起こるようになります。この状態では、過剰な副甲状腺ホルモンによって骨が溶解され、骨折しやすくなったり、骨や関節が痛みを引き起こしたりします。

また、骨から溶け出したカルシウムとリンが結合して血液の壁に付着し、強い動脈硬化を引き起こしたり、血管、心臓の弁、関節などに付着し、心不全、脳出血、脳梗塞、心筋梗塞などの重篤な心血管系合併症の原因となります。

そのため、副甲状腺ホルモンの一つであるIntact PTHを骨代謝の指標として、通常は3か月に1回測定します。 カルシウム濃度が低く、リンの濃度が高くならないように、カルシウムが不足している場合は薬(主に活性型ビタミンD製剤)を使用して調整することができます。しかし、リンをコントロールするには透析量の増加、リン吸着薬の使用、食事制限が必要です。

Intact PTHは副甲状腺から分泌されるホルモンの一つであり、甲状腺から分泌されるカルシトニンとビタミンDと共に、血中や体液中のカルシウム濃度を一定に保つ役割を果たしています。

Intact PTHは常に血中のカルシウム濃度を監視し、カルシウム濃度が低下すると分泌が増加し、骨に含まれているカルシウムを取り出し腸からのカルシウムの吸収を促進することによって、血中のカルシウム濃度を増加させる働きをします。

 

透析がうまくいっているかわかる数値の目安

週3回の血液透析において、体内に蓄積した老廃物を効果的に除去するためには、標準化透析量(Kt/V)が一般的に使用されます。Kt/Vは主に低分子の尿酸窒素の除去率を示す指標であり、透析の効果を評価する際に参考にされます。

ただし、尿素窒素よりも大きな中分子の尿毒素であるβ2-ミクログロブリンの除去効率や、透析時間、血液流量、透析後の体重などのデータも総合的に考慮することが重要です。

これらの要素を組み合わせて治療の評価を行うことで、透析の効果や患者さんの健康状態を総合的に把握することができます。

標準化透析量

目標値:男性1.8以上、女性2以上

血液透析(HD)や腹膜透析(PD)において、尿素などの低分子の老廃物がどれくらい除去されたか、つまり血液をどれだけ浄化できたかを示す指標があります。この指標は透析前後の体重や尿素窒素の値、透析時間などから算出されます。  

この指標をKt/Vと呼び、Kは尿素のクリアランス(透析によって一定時間あたりに完全に尿素が除去された血液の量)を表し、tは透析時間を、Vは体液量(体重の約60%)を指します。Kt/Vの値が大きいほど透析の効率が高いとされます。 

さまざまな透析量と生命予後を検討した研究が行われており、日本透析医学会の統計調査報告によれば、Kt/Vの増加に伴い生命予後が良好であることが示されています。

つまり、Kt/Vの値が高いほど透析の効果が高く、透析患者さんの生命予後に良い影響を与えることがわかっています。

尿素窒素

目標値:20〜70mg/dl

蛋白質の分解によって生成される老廃物であり、肝臓によって合成される物質が尿素です。腎臓の機能が低下すると、尿素窒素の血中濃度も上昇し、腎臓の障害の程度を示す指標として使用されます。

 通常、尿素窒素は腎臓でろ過され、尿として排泄されます。しかし、急性や慢性の腎不全などで腎機能が低下すると、尿素窒素の一部が血中に残留し、その結果、尿素窒素の値が高くなります。

さらに、蛋白質の摂取過剰、大量の消化管出血、甲状腺機能亢進症、悪性腫瘍、脱水症状、透析量の不足などでも尿素窒素の値は上昇します。 

逆に尿素窒素の値が低い場合は、蛋白質の摂取が不足している可能性が考えられます。また、肝臓の機能が重症な肝障害や肝不全などの場合でも、尿素窒素の値は低くなります。

血液濃縮率

目標値:2〜4

血液濃縮率(PWI)とは、血液から尿に変わるにあたってどれくらい濃縮されたのかを示す値です。(尿濃度)+(血しょう濃度)で濃縮率の値を決めることができます。

除水量はドライウェイトに対する割合として計算され、体重変化率と血液濃縮率の比較によって判定されます。具体的には、透析前後の体重変化率と蛋白質の濃度変化を考慮して求められます。

この指標は、ドライウェイトが適切かどうかを判断するために使用されます。ただし、他の指標との総合的な評価が必要であり、通常マイナスの値である場合はドライウェイトを減らすこと、高い値である場合はドライウェイトを増やすことを検討します。  

ドライウェイトの算出には特定の公式は存在せず、透析患者さんの体調や血圧などの臨床的な所見、心胸比(CTR)などの補助的な検査を考慮して推定されます。その中でも血液濃縮率(PWI)は有用な指標とされています。

 

透析患者の寿命を伸ばす細かい数値の目安

透析患者さんは体重が減りやすい傾向があります。糖尿病などの生活習慣病を合併していることも多い透析患者さんは、太っている人の方が多いようなイメージもありますが、透析をすることによって痩せてしまいやすいのです。

体重が減少することは、肥満よりも健康に良いと考えられがちですが、実際には体重が減少している方が死亡リスクが高いとされています。

透析患者における理想的なBMI

BMIとは、体重と身長の関係から算出した、人の肥満度を表す指数です。BMIは体重(kg)を身長(m)の二乗で割って算出されます。

BMIの計算式は世界共通ですが、肥満の判定基準は国により異なります。WHOでは25以上を標準以上、30以上を肥満としています。日本肥満学会では、BMI22の場合を標準体重としており、25以上の場合を肥満、18.5未満である場合を低体重としています。

また、BMIが低い(痩せている)と死亡リスクが高まり、BMIが高い(肥満)と短期の予後が良好であることが報告されています。 

なぜBMI22を標準体重と定めているかというと、BMI22前後の方が最も長生きできると考えられているからです。しかし、維持透析患者の場合、国内外のデータとは異なる結果が報告されています。国外の研究では、BMIが低い(痩せている)ほど死亡リスクが高まり、逆にBMIが高い(肥満)ほど死亡リスクが低くなると報告されています。

実際に、標準的なBMI値である22よりも高い体重を持つ患者さんが長寿であるという報告があります。日本透析医学会の統計調査によると、日本の維持透析患者さんの場合、BMIが25前後の患者さんが最も長寿であるという結果が示されています。

一般的には、太っていると生活習慣病の発症リスクや死亡リスクが高まることが知られています。しかし、実際には痩せている人でも死亡リスクが高くなることが、JPHC研究などによって明らかになっています。  

特に高齢者では、痩せていることが死亡リスクの増加と関連しているという報告もあります。一方、60歳未満の人では肥満が死亡リスクと関連しているともいわれています。

参考:長期血液透析患者の栄養状態と栄養素等摂取の検討

透析前の血圧はどれくらいが良いのか

透析患者さんにおいて、心血管系疾患は大きな死亡原因であるため、血圧管理は大変重要です。

日本透析医学会のガイドラインでは透析開始前の血圧は、140/90未満が目安となっています。これは絶対的なものではなく、透析中に血圧に注意しましょうという目安の数値となります。

透析患者さんの血圧は、時間や季節による変動だけでなく、透析中の体液量の減少や透析間の体重増加による影響を受けます。さらに、透析患者特有の動脈硬化や血管石灰化、心血管疾患なども血圧に強い影響を及ぼす要素です。

適切な健康管理のためにも、日頃から家庭でも血圧を測定する習慣を身につけましょう。

 

検査値も気にしながら透析を受けるなら

透析検査における検査結果の数値の見方、目標値の目安について解説しました。

初めて透析をする患者さんにとって、数値の見方がよくわからないという方も多いと思います。すべての項目を把握するのは難しいかもしれませんが、自己管理のためにある程度理解しておくことが大切です。

また、通常において正常な腎臓は1日24時間休むことなく働いていますが、透析は週3回しか行えず、すべての腎臓のはたらきを補えるものではありません。そのため、日々の食事管理による調整も必要となります。食事療法を行う上でも血液検査の結果をお役立てください。

井口病院では、患者様が透析を続けながら元気に過ごしていただけるよう、快適な環境調整と心のケアを含めた看護を心がけております。また、他科の医師ともこまめに情報を共有していくことで、患者様の体調の変化に対応できるよう勤めております。

透析患者様がかかりやすい傾向にある、糖尿病や脳梗塞、循環器疾患、消化器疾患、整形外科疾患などの疾患の治療にも対応しております。その治療と同時に、入院・透析を受けていただくことも可能ですのでご安心してお越しください。

人工透析は週3回まで対応しています。夜間透析やオーバーナイト透析(月・水・金)も行っているため、日中お忙しい方もこれまで透析時間の確保が難しかった方も、無理なく治療を受けていただくことができます。

ご家族のスケジュールに合わせた透析時間・透析日の調整、短期入院透析も承っており、送迎は北は竹ノ塚、南は南千住まで対応しております。

また、当院は東京23区からアクセスしやすい北千住に位置し、北千住駅からは徒歩3分と駅近で便利な立地にありますので、東京で人工透析をお探しの方は、ぜひ当院へお越しください。

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